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奥能登の豊かな自然の中で日々の徒然を認めています


by kaizouin
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仏弟子の告白 Ⅱ 5

 異文化、とはいかないまでも、違った立場、違う思想に対して、自分の物差しで計り、価値判断を与えるのが間違いだと気付かされた店主でしたが、やはり、なかなか納得できないものもありました。加行単位には必須科目だったのですが、何度レポートを提出しても“不可”しかくれない授業がありました。さすがに、弱りました。困りました。

 店主は、レポートには絶対の自信がありました。と言っても、自分の興味のある分野では。『比較宗教学』だったか『比較哲学』の授業、初日に出席しただけで、全く授業に出ていませんでした。ある日、後輩が二人やってきて「先輩、出席も取っていませんから、レポートだけでも提出しては?」

仏弟子の告白 Ⅱ 5_a0072808_19522668.jpg それもそうだなと思った店主。2人の後輩のノートを見せてもらいながら、3人でレポートを書き提出しました。結果は“優”でした。しかし2人の後輩は“可”でした。後輩たちは「先輩なんか、誘わなければ良かった!こっちはちゃんと毎回出席していたのに!」と、ブーブー言っておりました。

 後輩の一人が浄土学専攻でしたので、毎回レポートを提出しても落とされてしまう浄土学の授業に就いて相談しました。どうしたら良いのだろう?と、すると彼の答えは「先輩、駄目ですよ、人見てレポートを書かなくちゃ!あの先生はヨイショしなくっちゃ!」「ヘッ?ヨイショ?」

 原典やテキストを読み、疑問点があればそれを問題提示し、考察を加えるのがレポートや論文だと思っていました。それが“ヨイショ”?! 目から鱗と言うか何と言うか、、、店主にとっては断腸の思いで“ヨイショ”のレポートを提出しました。学問をめざすものにとって、何と恥晒しなと思いながら。

 結果は“優”でした。「な、な、なんじゃこりゃ~!」

 申し訳ございませんが、当時の店主は「こんなん学問じゃねぇ~!」と思いました。今になって、善意的に解釈すると、浄土教学、浄土学と言うものは素直に信じることが大切なのだと、その先生は仰りたかったのか?なぁ~とも思っておりますが、、、でも、やっぱり、こんなん学問じゃない!

 日本語の曖昧さ、日本人の曖昧さからくるのか、やはり“信”という一語で締め括られてしまう、浄土教、浄土学、、、店主にはなかなか理解することが出来ずにいました。
by kaizouin | 2007-12-07 19:58 | 仏弟子の告白